中国メーカーではかなり後発である「巨龍」ですが、開発のスピードは凄まじく、とうとうドイツラバーに肉薄出来るスペックのラバーが登場してきました このモデルは「サンプル版」という位置づけですが、このラバーが一応「完成版」との事ですので、微調整されて市販される事になるようです
パッケージはシンプルですが「V」がインパクトのあるパッケージです 何か車のエンジンを思わせるようなデザインですねえ ちなみに「TYPE B」と言うのはサンプル品のひとつの為です おそらくスポンジはこの「FX」の他にも出る可能性はありますので、硬度別で選択できるのではないでしょうか
シートの質感は粘着やしっとり感はなく、サラッとしています その為「引っ掛かり」はあまりないですね 特筆すべきなのはこの紫色のスポンジで、非常に気泡が大きく「ドイツテンション」を思わせます 打球感は非常にソフトです 硬度がメーカー表記で「38度」とありますが、これは中国表記よりも「ドイツ・国内」表記に近い硬度に感じます 軽い力でも食い込ませる事が可能なので、ドライブの打ちやすさは抜群です FX系の中でも打球感はしっかりとしており、スカスカな印象はないですね グッと掴んだ後の飛び出し方が極端ではないので、スピードが出るラバーの中では抜群にコントロール性能は高いラバーです 個人的な印象としてはバック向けラバーでしたね
食い込ませてかけるタイプのラバーでスペックはスピードよりですが、弾道は弧線弾道が強く、安定感のあるドライブが打てる印象ですね ラバーが非常に軽量なので、重量面で苦にならない事も非常にグッドでした 軟らかめのドイツテンションと言えば「金属音」も特徴の一つですが、この「SUPER VELOCE V12 FX」も金属音はかなり鳴りますね 細部を除けば、かなりドイツテンションの様なラバーに仕上がっています
シートに引っ掛かりが薄いのでツッツキやサーブに難がありますが、対ラリーでの安定感と強さを発揮するラバーですね 中でもブロック・カウンターが特徴的でした ボールの掴まえ方が良いので、台上でもかなりドライブが打ちやすくなっていましたしもう少し引っ掛かりがあれば、対下回転でも対応できるようになるので、唯一のネック「対下回転系」が克服できると、完全に隙がなくなりますね シートの改良が今後どの様に行われるか気になる所です
「中国ラバーにしては~」という文言で書く事が多いですが、このラバーが進化をすれば「中国ラバーにしては」という言葉は外せる時は来るのではないでしょうか その位にこのラバーは劇的な性能の向上が窺えますね 打球感やスピード性能は安価なドイツテンションと比較・競合できるレベルにまで来ている印象です 若干差があるのは「回転性能」ですかねえ スピード系を好む場合はコスト面等を考えると、十分選択肢に入りますね 軽量ですし、打球感も良好です 下回転に弱さがあるものの、ラリーになった際の安定感やスピードは中国系とはかけ離れたスペックの高さを持っていますね
ここまでのスペックにまで到達しているので、文句のつけようはそれ程ないんですが、あえて言うなら「シートの引っ掛かり」が欲しいですねえ シートの改良がされるとこのラバーに関しては相当バランスが良くなります 弾みや食い込み方はドイツラバーらしさがありかなり近いので、硬度別に選択できるようになると、幅広くカバーできますね 劣化スピードは1ヶ月程度で弾みが落ちてきていますので、サウンド系のラバーとしてはまずまずの耐久性ですね スポンジが軟らかい割にしっかりとしているので、打球時に潰れすぎてスカスカにならないのはグッドでした 製品版とほぼ同じ と言う事なので、大幅に仕様が変わることはないですが、使いやすさとスピード性能の高いラバーでしたね 中国非粘着系テンションラバーの進化に驚きです