言わずと知れたスウェーデン製7枚合板ラケットである「Clipper wood(クリッパーウッド)」には数多くのシリーズがラインナップされています この「Clipper wood WRB」は、STIGAの空洞グリップである「WRB」が採用されたバージョンで、重量のあるクリッパーウッドの軽量化や打球感の調整等に一役買っているグリップとなっています
ラケットは現在のSTIGA SPORTS JAPAN 以前に代理店を務めていた「UNIVER」社時の物ですが、大まかな仕様は現行のものと大幅には変わっていないような印象ですが、板厚は若干の変更がある様です ヤサカ社時代にブレード厚が「6.3㎜」だったものが、UNIVER社時には7.0㎜となり、現行のものはメーカーカタログ表記では「6.5㎜」となっています ブレードサイズ等に変更はない様ですが、UNIVER社晩期頃からグリップが太めのSTから若干細身で楕円の物に代わっていますね
現行のものはカタログ上では重量が「89±5g」となっていますが、この個体は若干重めです 板厚が7.0㎜の物なので、やや重くなるのは仕方のない所ですかね グリップが若干シェイプされているので、初期の物と比較すると握りやすくなってます 現行のクリッパーシリーズでは日本市場仕様の細身のグリップがラインナップに加わっているので、スウェーデン製のグリップに太さを感じてしまう場合はそちらを選択した方が良いです
プラボールでのクリッパーウッドは特徴でもある若干軟らかめの打球感に硬めのラバーとの相性が更に良くなっている印象を受けます 中でも粘着ラバーとのバランスは非常に良いですが、優れた弾性を有する粘着ラバーでない限りはスピードや飛距離の面でネックとなります 已打底タイプまたはテンションスポンジの粘着ラバーが良いですね 非テンションでは飛ばす事だけでなく、スピードを出すにも非常に厳しくなります バランスの良いラケットですが、木材ラケットなのでスピードを出すにはラバーのスペックに頼る必要がノングルー+プラボール時では避けられないですね
テンションタイプの裏ソフトはドイツラバーの硬めのトップ仕様と合わせると、ラケットが弾みすぎる事が無いので回転はかけやすくなります 特殊素材の様な際立った弾性や飛距離を必要としない場合は前~中陣であれば、ラバーの弾性や飛距離とのバランスで扱いやすさと威力の両立を確保する事が可能です 打点を上げた際に回転がかけ辛い、飛び過ぎてしまう という事を抑える事が出来るので、ここは木材ラケットの利点ですね 弧線が作りやすいタイプであれば弾道に寄ってドライブの安定性を大きく高める事が可能なので、しっかり回転をかけて威力を出す という事を重視する組み合わせとなります
表ソフト テンションタイプの表ソフトは軟らかめの物が多いので、合わせた際に弾きよりもやや掴まえてしまう傾向の組み合わせになりますが、飛ばし辛い事は無くラバーの弾性をコントロール球離れと飛距離が良いですね 硬さを出してしっかりと強打をするには食い込みが強いタイプの物が多いので、スポンジ硬度を上げた方が良いです 主流のテンションタイプはかなり弾むものが少なくないですが、特殊素材と比較すると裏ソフトのテンション時と同様にコントロールしやすくなるメリットがあります 硬めでそれ程弾性を必要としない場合は日本製の硬めの高弾性やテンションタイプ等は打球感も硬く出来るので、強打時の食い込みを気にしなくてよくなります
粒高・アンチといった異質タイプのラバーとの相性もラケットの弾性が極端に弾まない・硬すぎないという事で合わせやすい印象 特に粒高は攻撃と守備のバランスが良く、攻撃的なテンション粒や低弾性のブロック力に優れた粒といったものと合わせてもラバーの性能を損ねない点が優れていますね
グリップが空洞化されて振り抜き易くなったクリッパーウッドですが、汎用性の高さはそのままにプラボールにおいても高い性能を発揮しているラケットです グリップの仕様が若干変わった事でより握りやすくなっている点が良いですね プラボールではボールが硬くなっている事やラバーが総じてトップ仕様は硬度が上がっているので、ラバーとのバランスを取りやすくなっています 木材ラケットなので特殊素材の様な際立った飛距離やスピード性能は有していないものの、スウェーデン製ラケット特有のフィーリングと良好な弾みと扱いやすさは木材ラケットの良さですね ラバーを選ばないラケットです