世界ジュニアで優勝する等、ヨーロッパトップ選手として知られている「パトリック・バウム」選手の名を冠したアラミドカーボンラケット「BAUM ESPRIT(バウムエスプリ)」です 主流のアウタータイプラケットでありながら、コストパフォーマンスと使い易さに優れたラケットとなっています
ブレードサイズはメーカー表記で「160×152mm」と近年のシェークとしては僅かにサイズが大きくなっています ラバーの流用が出来ないサイズではないですね 若干丸みを帯びている印象です 中国製となっています 合板構成は「5枚+アラミドカーボン2枚」とアウタータイプとしては一般的な合板構成 板厚は「6.0mm」となっています メーカー表記では「スピード 9+」「コントロール 7」というスペックです 打球感はアウタータイプとしては極端な硬さが無く、弾みと回転のかけやすさのバランスが良い印象ですね 響きも少なく、アウター系の良さがありながら球離れや硬質すぎる といった部分が無いのは良いですね
グリップサイズはメーカー表記で「100×22mm」となっています(ST)グリップは同社のセンゾーグリップを採用しているラケット(ワルドナーセンゾーカーボン等)と比べると角ばっている点が特徴です 指にかかりが良くなっていますが、好みの分かれる形状となっています しっかりと握り込むグリップとしては良いですね
弾性はOFF- ~ OFF程度で、やや硬さはあるものの、先に書いた様にアウタータイプのカーボン系に位置するラケットとしては硬さや響きの面で抑えられているので、この手のラケットとしては使いやすい印象を受けます 威力面と使い易さのバランスが良く、飛び出しすぎる事もないので、幅広いラバーとの組合せが可能になっていますね トップ仕様の硬質なテンション系裏ソフトでは硬さが抑えられる事と弾みの確保 十分な飛距離と弾性を得る事が可能です このラケットで少し硬さが目立つ場合には45.0°等、中間硬度のスポンジから試し、徐々に硬さに慣れていく という使い方が可能です これだけの威力を確保しながら操作性を損ねる事が無いのは大きいですね
一般的なアウタータイプのカーボン系ラケットでは中国ラバーの様な非常に硬いラバーとの組合せは打球感が硬質になりすぎる傾向が多く、回転をかけるには非常に難しい組合せとなりますが、BAUM ESPRITの場合は若干打球感が抑えられるので、このラケットでは選択肢が若干増える印象ですね 已打系の場合はスポンジが軟らかくなるという事もある為、弾みを確保しながら硬くなりすぎない という点が良いです または日本市場に投入されている日本製スポンジの粘着ラバー等も良いですね 平均重量が特殊素材としては比較的軽いので、総重量を抑える事ができる様になっています アウタータイプのラケットで中国ラバーを使用するには打球感や弾みの面で非常に良いバランスを有している印象です
表ソフトに関してはドイツ系では主流の硬度である「37.5°」ではやや軟らかさを感じるものの、ドライブと強打のバランスを重視した場合にはまずまず良好といった印象です 弾きを主体とする場合には少し硬さのあるラバーの方が良いですね アウタータイプでありながら響きや球離れが抑えてあり打ちやすいので、選択肢の範囲は広いラケットとなっています
アウタータイプとしては弾みすぎる事や球離れが早すぎるといったことが無いので使いやすく、トータルバランスの良いラケットです 特に中国ラバーと組み合わせた際に打球感が特殊素材特有の硬すぎる・響きすぎるといった部分が皆無で、中国ラバーとの組合せが難しくなる傾向にあるアウタータイプのラケットには無い使い易さが特徴となっています トップ仕様の硬質なテンションラバーと組み合わせた際にも同様に飛びすぎて使い辛い といった部分が一般的な反発力重視のアウタータイプラケットには無い部分ですね 表ソフトとの相性も良好で優れたラケットとなっています 際立っているのはコストパフォーマンスの良さですね 選手の名を冠し、アウター系の特殊素材系ラケットは各社登場していますが、やや高価格に設定される事が多いジャンルですが、BAUM ESPRITはスペックは上手くまとめながら、コストを抑えています スペックと価格、双方非常に優れたラケットです 中国式もラインナップされているので、ペンユーザーにも嬉しいラケットです ただネックとなるのは近年表舞台から遠ざかっている「バウム」選手の名を冠している という事でしょうか プロ選手である以上「契約」の問題があるので、契約を外れてしまうとこのラケットも「廃盤」という事になります とはいえラケットのスペックは非常に優秀で手に取りやすい価格帯のアウターラケットなので、お薦めですね