ラバーの後加工が禁止 という卓球史において大変革が行われた時期に登場し、ノングルーでありながら極めて高い性能から一躍トップ選手が多く使用、現在でもトップ層を中心に人気を博すテンションラバー「テナジー」シリーズから久しぶりに登場したのが「開発コード№219」のシートを採用した「テナジー19」です シリーズとしてはプラスチックボールに完全に切り替わった後に登場した現時点で最も新しいテナジーとなっています
テナジー80までは各パッケージが用意されていましたが、現在はパッケージデザインは統一されていますので中央のリングと上部にあるラバー名で判別することになります サイトによる性能評価では「スピード84 スピン 75 弧線 78」となっています スポンジ硬度は36度で、シリーズ共通ですね それほど硬さはなく、高いグリップ力を有するシートが特徴のラバーです
シートは大変きれいですね ロゴの方も新しいバタフライブランドの物となってます 特徴としては「よりボールを掴み、強打を引き出す」とある様にシリーズの中でもグリップ力の良さが特徴でもあった「05」の様なグリップ力を有しつつ「80」の様な前に飛ぶ力も有している印象です が、球離れが早すぎる という事がなくしっかりとつかんだ後に鋭く飛び出すタイプのラバーです これにより弾性がありながらも回転がかけやすくなっています 加えてシートの引っ掛かりですね つかみと引っ掛かりのバランスが特に良い印象を受けます
スペック表にあった「弧線」これについて各テナジーと比較していくと、近いのは「80」ですかね 「05」程の弧線というよりはやや直線気味である という印象です 「64」の様な極端な直線ではないですね 「25」とも違う 「05」の様に弧線の作りやすさがありつつも前に飛び出す離れの良さがあり、ここはよりバランス型になっているラバーです ディグニクスの様に硬質で弾き出すような硬さがなく、しっかりグリップしてから飛び出すので回転のかけやすさがテナジー19は優れていますね 掴むとはいえ軟らかさから来る様なつかみと違い、程よく硬さのあるスポンジでグリップ後に飛ぶ という点が特に優れているラバーとなってます
スピード性能は昨今のトップ使用ラバーや同社のディグニクスと比較すると控えめに映る部分はあるものの、トップ仕様であるラバーなだけに高い性能を誇るものとなっています スピード性能よりもやや飛距離が出しづらい点がこのクラスのラバーとしては少しネックになってくる部分ですかね この辺りはラケットの反発力でバランスをとる必要が出てきます トップ仕様ですが回転のかけやすさと弾み過ぎないという特徴があるのでコントロールしやすく、ハイスペックラバーで安定性を優先するには良いラバーという印象です
素晴らしいグリップ力を有するスプリングスポンジと回転のかけやすいシートの影響で台上での攻撃やサーブ等、細かなところで安定性と威力の両立が図れるのは特に優れていますね 飛び過ぎてオーバーする という事は少なく、台上においてもしっかりと回転をかけて振っていけるのは大きい部分です また「相手の打球に押し負けない」とある様に回転をかけ返す様なプレーの際にも扱いやすさと回転をかけ返す際に掴み過ぎてしまう というような事はないですね 早い打点でのドライブやカウンターからループドライブの様にやや打点を落としてしっかりと回転をかけきる というどの位置からでも安定して打てる点が魅力です
現時点(2025年3月現在)では最も新しいテナジーですが、テナジーの回転性能をより発揮させやすくしつつ、さらにバランス型に仕上げた印象ですね その為スピード性能や回転性能を高いレベルでまとめていますが、さらなるハイスペックを求める場合は同社のディグニクスや他社のフラグシップを選択する事になります 価格帯が被る所もあるので、トップ仕様を選択する場合は難しくなってきますが、高いレベルで安定性を重視する場合はテナジー19は選択肢に入ってきます また耐久性が大きく上昇しているのでラバーが端からボロボロと崩れる というのはないですね ディグニクスの様に極めて高い性能を有するラバーではあるものの扱いも同時に極めて難しい というタイプではなく、ハイスペックでありながら使いやすさも損ねていない というタイプのラバーです タマス社らしい、非常に優等生的なラバーです