個性的な用具展開を行っている「AIR」からラインナップされているアウター系特殊素材ラケット「TigerS」です メーカーが謳う特殊素材は「ZLC」となっていますが、優れた弾性と軟らかなフィーリングを併せ持つ特徴を有したラケットとなっています
ブレードサイズは簡易計測で「157×150㎜」程度です これは現在のシェークのブレードサイズとしては一般的なサイズですね 上板は「コト材」となっています グリップサイズは簡易計測で「100㎜」程度が全長 一番細い所で「30㎜」弱 といった所ですね グリップは少しだけ丸みがあり、やや細身といった印象です 握りやすいFLグリップとなっています
板厚は約5.7~6㎜前後といった所ですね 厚過ぎず・薄すぎず といった板厚です 重量は特殊素材としてはそれ程重量のあるタイプのラケットではない印象です グリップレンズは両面に入っているラケットとなっています 中国メーカー系の特殊素材ラケットはカットの断面が毛羽経つ物が多い傾向ですがこのラケットではカット面が非常に仕上がっており、質感の高さが印象的ですね 合板構成は「5枚+ZLC2枚」となっています
ラケットの弾性は非常に良く、アウター系特有の素材感の強い打球感ではあるもののZLC特有のソフトなフィーリングが特徴です カーボン系特有の硬さが抑えられているので、打球時に響きや弾きは前面に出すぎない打球感ですが、ボールの飛び出しは早いラケットなのでここが「ZLCらしさ」と言える特徴ですね 硬いラバーと合わせた際に打球感が硬くなりすぎるという事は無いので、ハードスポンジのラバーと合わせても極端に硬くなりすぎる事がないのは良いです
弾みの良いテンション系とのラバーを合わせると飛距離やスピードは下がった位置からでも十分に出せるので、ここはアウター系の弾むラケットの良さが出ている組み合わせです 近年の硬いテンションラバーと合わせる事が可能になりますが、ZLCの弾みとラバーの硬さの影響で扱いの難しくなる組み合わせでもあります ソフトとはいえカーボン系のラケットなので弾きや飛び出しの強さを考慮した組み合わせが重要になってきます
ソフトながら飛び出しが良いので表ソフトの様なスピードを活かすスタイルのラバーとの相性は良いラケットですが、弾みの良いものに関してはラバーの厚さを調整した方が飛距離が出すぎるという事がないですね 前陣が中心のプレースタイルにおいては攻守のバランスを特に意識した組み合わせが重要となってきます 非テンションの表ソフトや変化系といった安定性や変化を重視したラバーと合わせる時に威力を優先する場合には厚めの物を合わせる といった選択肢も出てきます 粒高の様なラバーと合わせる場合は薄いスポンジやアンチ系の吸収性に優れたスポンジを除くとラケットの弾みの関係で抑える事が非常に難しくなってきます 粒高で強打を打つ事が多いプレースタイル向けの組み合わせとなります
非常に高い完成度を誇っており、弾みの良さとソフトフィーリングな打球感はZLCの特徴が良く出ている印象ですね 弾みの均一性も高く、打球時のバラつきは無いです ラケットとしての精度は良いですね ラバーをあまり選ばないタイプのラケットで幅広いプレースタイルに対応でき、万能タイプのラケットとなっています これだけのスペックを誇りながらコストパフォーマンスは際立って良い点がこのラケットの最も優れた点ですね ネックなのは入手性の難しさや「AIR」というメーカー特有の問題でもある「頻繁な仕様変更」が挙げられます ネックの部分は多いですが、ラケットのスペックは相当に高い印象でしたね