世界的なカット主戦プレースタイルとして活躍し、後にヤマト卓球(現VICTAS)で代表を務められた「松下 浩二」氏の名を冠したカット用ラケットのシリーズである「松下浩二」 同社のVICASブランドのラケットとデザインが共通化された現在は「Koji Matsushita」モデルとして、英語表記に変更されています 共通化される以前のモデルは「松下浩二スペシャル」として、漢字表記になっています
現在の共通デザインは青系のシンプルな物が採用されていますが、デザインが共通化される前はカラーリング等の部分で違いがあり、見た目で判別がしやすくなっていました ブレードサイズはメーカー表記で「165×155mm」 グリップサイズは「100×22mm」となっています(STの場合) 合板構成は木材5枚+フリースカーボン2枚となっており、松下浩二シリーズでは唯一の特殊素材を採用したラケットです 他の松下浩二シリーズは日本製となっていますが、松下浩二スペシャルは「中国製」となっています
板厚はメーカー表記で「5.6mm」となっており、薄めですね 平均重量は」90g±」です この個体では平均的な重量となっています グリップは気持ち太め程度ですね それ程太さは気にならない印象です 弾性はメーカー表記で「ALL」となっていますが、印象としてはカット用の中ではかなり弾みが良いですね
カーボン系の特殊素材を採用していますが、打球感はそれほどガッチリとしたカーボン特有の硬質さや響きは少なく、使い辛さは無い印象です ただカット用としてみると先に書いていますが、弾性が非常に良く、攻撃を重視したタイプですね フォアカットの安定を優先する場合にはラバーを選ぶラケットです 球離れは極端に早いタイプではないです 板厚が薄いですが、カーボンの影響で飛ばし易さはありますね 下がった位置からドライブを打ち合う様な場合にこの弾性が威力を発揮します
硬すぎないとはいえカーボン系のラケットなので、裏ソフトはあまり硬すぎるものよりはややソフトなラバーの方がバランスは取りやすい印象 ですがカーボンの主張が強すぎるラケットではないので、中国ラバー等も硬度次第では合わせることは可能ですね ラケットが弾むので、中国ラバーの弾性不足をある程度補える組合せとなります とはいえ総じて硬質な打球感で飛ばすには力を必要とする組合せとなります 下がった位置からボールのスピードや飛距離を落さずに飛ばすには主流であるテンション系のラバーとの組合せですね カットを抑えるには扱いが難しくなりますが、攻撃力を大幅に向上させる選択肢となります
バックでは異質系のラバーがカットの場合は主となりますが、やはりカーボンの特性が厚く当たると出てくるので、弾性を抑えるラバー選びが重要となってきます テンション系の粒高ではかなり弾みが良く、失速させる事が難しくなるので、カットの安定性を重視した粒高の方が攻守のバランスが取りやすくなりますね レシーブやカットに加えて台上でのプッシュ・ブロック等、攻守の安定性を損ねないラバー選びが必要です 表ソフトは更に扱いが難しくなります 「当て方」にかなり気を使う弾性を有するラケットですね
カーボンラケットらしい特有の硬さや弾き・響き等は抑えられており、カーボンらしい弾みの良さとのバランスが取れているラケットです カット用としては非常に弾む部類のラケットなので、攻撃重視のカットスタイル向けのラケットですね カットを抑えるには飛び方を把握し、慣れる必要があります 下がった位置から威力を落とさずに打ち返すことが出来るのは魅力です 攻撃時にはカーボンの特性を出し、守備時にはカーボンの特性をどう抑えるか というラケットです 異質ラバーでの攻守スタイル等にも適していますね カット用なのでブレードは大きいですが、攻撃用としても性能は高いラケットです 「カット」の安定性は犠牲となっていますが、攻撃性能を大きく引き上げています 松下浩二シリーズで物足りなさがある場合には選択肢に入るラケットとなりますが、シビアな当て方が要求される為、難度の高い特殊素材カット用ラケットといった印象でしたね