特殊素材「ZLC」を内側に配したラケット「インナーフォースZLC」の中国式バージョン「インナーフォースZLC-CS」です ラケットの性能については数多くのトップ選手が使用し、その性能を証明しているので説明不要なラケットですね 特殊素材でありながら非常に使いやすく、ボールを掴む感覚のあるラケットです 残念ながらタマス社が大幅にラインナップを整理した影響で廃盤となりました(後にインナーフォースレイヤーZLC-CSとして復活)
ブレードサイズは「158×150mm」とやや小ぶりです リニューアルしたインナーフォースレイヤーZLC-CSは「161×150mm」なので、こちらの方がやや丸いですね 弾性の表記は「ミッドファースト」です 実際に打った感じでは軽打では表記通りな印象でしたが、強い打球の際はインナーのZLCが作用して、非常に強い弾性を有してます 特殊素材感はインナーに配してある分抑えられてはいますが、強い打球の際は素材の強さが出てきます ただし「ZLC」は響きが少ないですね フィーリングが良いラケットで弾みを抑えたものは多いですが、フィーリングがよくここまで弾性の良いラケットは珍しいですね アウターのZLC系では弾性 が強すぎてコントロールを難しくしていましたが、インナーにした事で特殊素材の強さを抑え、コントロール性の向上に大きく成功しています
重量は平均が約「90g」前後なので、この個体はまさに標準ですね 重量はやや重めですがブレードが小ぶりなので、持ってみるとそこまで重量は感じない印象です 板厚は「5.7mm」と薄めですが、インナーのZLCの効果が絶大で、この薄さでありながら非常に弾性は良いものに仕上がっています グリップサイズは「82×24mm」です やや細めで、かつての「中国式L」の様なストレートグリップですね トップ仕様の特殊素材ラケットとしては使いやすいタイプですが、インナーのZLCの弾性は強い打球の際に出てくる為、あくまで「トップ仕様としては使いやすい」という印象です
打球感は特殊素材系でありながらかなりソフトです ZLCを内側に配しているのでこれはスペック通りですが、驚くのはやはり弾性ですかね 特殊素材を使用しているとはいえインナーで薄いラケットなのでかなり印象としては強いです そして通常の打球では特殊素材独特の打球感は強くない という所です 響きが少なく、軟らかい打球感で飛ぶラケットです また、インナー仕様にした事で球持ちが良くなっており、ここがこのラケット最大の特徴でしょうね 弾みの良いZLCを採用しながらもボールを掴む感覚があります これにより弾性の良さと回転性能の高さが非常に高いレベルで両立されている印象です
通常の打球ではそれ程気にならない打球感ですが、ZLCの特徴が出てくるのはやはり強い打球を打つ時です 特に強打は素材の強さが出てくる為、直線的な球筋になる傾向にあります ここが「特殊素材らしさ」が出てくる所です ソフトで掴むラケットでありながら、弾く事も可能なので表ソフトにも対応できるのはこういう点ですね スマッシュの様な強く打つ技術の時にはZLCが反応して直線的な球質となり、ドライブの場合はボールをしっかりと掴んで飛ばす こういうラケットは皆無です ZLCを内側に配した事が非常に大きく、良い方へ影響している印象を受けましたね
汎用性は極めて高く、基本的に表ソフト・裏ソフトを選ばないラケットです ガチガチの粘着等の一部のラバー以外は合わせづらい というのは無いですね 表ソフトはテンション系だとやや掴みすぎるので、球離れに好みが別れます ドライブやブロック等、総合的なバランスは取れている組み合わせですね 裏ソフトに関しては組み合わせはテナジー系がやはり強いですが、テナジーは性能の代わりに寿命等、犠牲にしている部分も多いので(価格改定による大幅値上げも痛いですが) 汎用性の高さを活かして、他社のトップ仕様ラバーを組み合わせて使うのも有効です 選択肢の幅が広い事や失敗の少なさは「凄い」の一言に尽きます 弾みの強いテンション系を使う際に一瞬でも「掴む」という感覚があるのは大きいですね 球離れが早すぎてコントロールしづらい というのは軽減されています
あまりにも完成度が高く、「ここが・・・」という点は無いです インナー系特殊素材としてはずば抜けた完成度を誇ります 弾みの均一性 ZLCの弾みの良さを活かしつつ使いやすくしている点等は同社の「トップ仕様」にふさわしいラケットと言えますね 価格だけ見ると非常に高価(インナーフォースレイヤーはオープン価格化によりやや実売価格が上昇)ですが、満足度の高いラケットです プレー領域が広いのも良いですね ラバー次第で様々なプレースタイルに対応できます 攻守どちらにも優れたバランスを発揮する攻撃用ラケットですね 総合力が極めて高いラケットです