上質な木材ラケットを中心に展開するスウェーデンの「STIGA」から登場している、上板に特徴的な木材を採用したスウェーデン製5枚合板「ARCTIC WOOD」です 5枚合板としては優れた弾みを有しながら、回転のかけ易さと適度な硬さを併せ持つラケットとなっています
これまで同社のラケットで特徴的な木材は「ハードウッド」ですが、このラケットでは現状、ARCTIC WOODのみ採用している上板となっています「北極圏の中で育った木材」という事がカタログ等に記載されています 下の木材にはINFINITY VPS V等に採用されている独自技術「VPS」や「DIAMOND TOUCH TECHNOLOGY」を施したラケットとなっています 合板構成は特徴的な上板、下にVPS等を加工した板、中心材 という構成です ブレードサイズは概ね「160×150mm」程度 グリップサイズは「82×30mm」程度となってます
板厚はメーカー表記で「5.8mm」とやや薄めですね ですがこの板厚の5枚合板としては弾性と飛距離が優秀です 硬さは多少あるラケットですがハードウッド程の硬さは無く、掴みと弾き、硬さのバランスが取れている印象を受けます 重量はメーカー表記で平均が「85±5g」となっており、高価格帯に位置するトップ向けのラケットとしては軽量なラケットとなっています その為総重量を抑える事が出来る利点があります ラケットは軽くなっていますが「球質」が軽くなるという事が無く、威力を落とさずに軽量化できる点が良いです
打球感は比較的硬めですが、先に書いた通りハードウッドの様な硬質さとまでは行かないので、硬めラバーと合わせた際に回転のかけ易さを損ねない硬さとなっています 打球時に硬さはありながらも掴みが備わっている為、硬さのあるラバーと合わせた際にハードウッドの様に硬くなり過ぎる といった事を抑える事が出来ます 球離れは極端には早くないものの、僅かに飛び出しがよい印象 同社の5枚合板としてはINFNITY VPS Vの様な弾きの強いものがありますが、このラケット程球離れが早くはなく、回転をかける際に掴むフィーリングと弾くフィーリングの両方を兼ね備えたラケットです
ある程度硬いラバーとの相性は良く、硬質なスポンジを採用しているテンション裏ソフトでは硬さはあるものの打球時にラバーのグリップ力を阻害する様な硬さや弾きはなく、弾みを上げつつもドライブを打ちやすくしています 「ARCTIC」という名が付いている通り、硬さと弾きを備えながらも弧線が作りやすく、安定性と威力の両立を可能としています 粘着ラバーの様な非常に硬質なラバーの場合は従来型の物では弾性不足な面があります 弾みは已打底やテンションスポンジを採用した物と合わせた方が良いですね 弾みがあるとはいえ、5枚合板ですのでラバーの弾性があるものの方が中陣で打ち合う場合等に飛距離やスピードの面で大きく不足する という事が無くなります ハードウッドと比較すると台上での打球やカウンター時にラケット弾いてしまい回転をかける前に飛んでいってしまう というのを抑えられますね
打球感は硬質で弾きもある程度あるラケットなので、表ソフトとの相性も良好です 特に硬めのテンション表との相性が良く、硬さから来る弾き易さとラバーの優れた球離れの早さやスピードが5枚合板と組み合わせたものとしては非常に良い組合せとなります 37.5°クラスの物は少し掴みがあるものの、ラケットがある程度弾くので、掴みが強すぎる という程ではないですね 日本製の硬質なテンションスポンジはスピード性能はややおちるものの、強打時に食い込まずに弾く事が出来る点や台上やブロック等、細かな部分でより安定性を高める事が可能です テンション系を使いながら攻守のバランスを取る場合には表に関しては日本製の硬質なスポンジが良いですね 打ち抜くスピードボールや攻撃的なブロック、飛距離が出る為コントロールが難しくはなりますが、台上での攻撃性などはドイツ系の物が良いですね
木材5枚合板でありながら弾性や飛距離が出るラケットですね 更なる飛距離や弾性を求めていく場合にはハードウッドですが、ハードウッドはARCTICWOODと比較すると重量が10g程度上がり、打球感もかなり硬質となる為、非常に扱いが難しくなります ARCTICWOODでは重量は軽めですが、INFINITY VPS Vと比較すると打球感に明らかな軽さが無く、硬さと打球時の弾きを備えながら、回転のかけ易さを失っていない点が非常に優れている所です また重量が抑えられているので、トップ向けのラバーと合わせた際に総重量を抑えられるのは良いですね 5枚合板としては非常に優れた弾性を備えながら、使い易さも備えているラケットです 5枚合板の回転のかけやすさに硬さと弾きを上手く加えた、総合力の高いラケットです
