タマス社のオープンプライス化に伴い、大幅なラインナップ刷新が行われ、リニューアルされたインナーフォースシリーズからアリレートカーボンを採用した「インナーフォースレイヤーALC」です 旧モデルとなった「インナーフォースALC」から実売価格は上がりましたが、「アナトミック」グリップがラインナップされた事が大きいですね
合板構成は「5枚+アリレートカーボン(インナー)」という事で、アリレートカーボンを内側に配し、特殊素材で弾性を確保しつつも、回転のかけやすさを維持しているラケットです 使いやすさと威力の両立が出来ているだけでなく、ラバーを選ばない汎用性の高さが最大の魅力です アウター系のアリレートカーボンでは硬い・弾く等とアウター系の特殊素材故の問題が発生しますが、特殊素材を内側に配した事でカーボン系特有の問題をマイルドにしています インナーフォースレイヤーZLFは木材系の打球感に近く、球持ちが極めて良い為「弾き」の物足りなさがあります ZLCでは掴んで弾く特性がありますが、コスト面がネックとなってきます コストの部分や弾きと回転のかけやすさのバランスを優先した場合、このインナーフォースレイヤーALCがシリーズ中ではトータルバランスが特に優れている印象です ブレードサイズは「157×150mm」 グリップサイズはメーカー表記でアナトミックの場合「100×25×34mm」(長さ×厚さ×繰りリップエンド)となってます タマス社のアナトミックは少し細めですが抜群にフィット感が良く、通常ラインナップ前はトップ選手が特注で使用していた事もある為、非常に握りやすいグリップですね
平均重量はメーカー表記で「85±g」なんですが、到着時は「89g」で現在は92gとかなり重量のある個体となってます ですがラバーを貼った際の重量バランスが良いのもタマス社の特徴で、重量の割には重さを感じさせない所が素晴らしいですね ブレードの厚さは「6.0mm」となってます 弾性は良く、回転のかけやすさを損ねない反発力と球離れです 先述していますが、アウター系ではどうしても弾きや硬さの関係でラバーを選ぶ場合が出てきますが、特殊素材を内側に配している分、打球感が硬くなりすぎずに球離れも抑えられています その為、アウター系では扱いが難しくなるラバーを選択肢に入れる事が可能になってくるラケットです 程よく掴み・程良く飛ばすラケットなので、ここが最大の特徴ですね
特に粘着系の様なラバーの場合は特にアウター系のALCラケットでは硬さが出てきてしまう為、回転がかけづらくなる傾向が多いですが、インナーフォースレイヤーALCの場合はそういった問題が軽減されるので重量の問題が解決できると、粘着と特殊素材の組合せでは威力を発揮させやすくなります 後はインナー系ラケットの特徴としては「掴み」ですが、掴みを重視した場合、表ソフトを合わせた際に「弾き」の面でバランスが取り辛くなる事が多くなります ですがこのラケットは適度な弾きを維持しているので、飛ばしやすい印象です アウター系と比較をした際、攻守の「守」の面でのバランスが良くなります ブロック・カウンター等、前陣でのコントロールはアウター系の場合は打球感が硬すぎる・球離れが早すぎる場合はコントロールだけでなく、回転をかける前・強打する前に飛んでいってしまう という事がありますが、内側に配した事で極端な飛び方をしない分、使いやすくなっています
インナーフォース系のラケットとしては最もコストパフォーマンスが良い価格帯のラケットですが、スペック面では非常に優秀で、ラバーを選ばない点が非常に良いですね 失敗の少ないラケットです インナー系特殊素材としては極めて完成度の高いラケットとなってます 弾性のアップ・回転のかけやすさ・適度に弾く といった、トータルバランスが非常に良いラケットに仕上がっています 更に使いやすくしたバージョンである「インナーフォースレイヤーALC・S」もありますし、安定性を重視する場合はインなフォースレイヤーALC・Sを選択するのも良いですね 価格帯もほぼ同じなので、回転のかけやすさと更なる安定性を取るか、安定性を落さずに威力を可能な限り追求するか といった所ですね 非常に優れたラケットです