20年に一度行われる伊勢神宮の神事「式年遷宮」により、檜材の確保ができなくなった為廃盤となった「ハイブレード」シリーズや中国の富裕層に贈答用として珍重されている「スピード600・700」等を除くと、国内ではこの「SPEED90」が最高クラスのスペックを誇る単板ラケットになります メーカーをして「このラケットを作る為にやってきた」とコメントとしている通り、打球感や性能等、全てにおいて高次元の単板ラケットに仕上がっています
ダーカーのラケットは説明不要の質感ですが、特筆すべきはやはり「素材」につきますね 檜がここまで香るラケットというのはダーカー最大の特徴とも言えます ラケットサイズは全長で約「255mm」程度、このうちブレード面の側面が「135mm」程度となっています 印象としてはかなり細長いですね グリップは約「90×20mm」程度で、長めの設計となっています
最高の素材と加工を施しているだけあって、「柾目」がとても良いですね 縦にギッチリと詰まっています これがエントリーモデルの単板だとやや間隔が開いていたり「斜目」で、斜めに入っていますね そうなると打球感が劇的に変化してしまい、国産の檜独特の打球感は失われてしまいます
今回は特厚あたる「10mm」を手に入れる事が出来ました この厚さではやや軽めですね 「加工単板」という事で、どういった加工を施しているかという事になりますが、「SPEED90」では「SPEED15」に施されている加工に打球感の調整などがプラスされています 使用している素材は同じで、かかる「手間の差」がラケットの価格に現れているという事ですね とはいえ、比較をするとこちらの方が飛距離や弾性はアップしている印象です
打球感は非常に軟らかく、球を持つ感覚が特に強い印象です 掴んだ後の飛び出しが他の単板とは明らかに違いますが ボールの飛距離が劇的に違うので、下がった際にもスピードが落ちない事に驚かされます 弾性が非常に強いので扱いは難しいですが、フィーリングの良さがコントロール性をやや向上させています かなりソフトな打球感ですが、強い当て方にも潰れるような感覚がなく、弾き飛ばせる「当たり」の良さも特徴的な印象でした
打球感の関係上、ソフトなラバーでは掴みすぎてしまうのではないかと想像していましたが、ラケット自体の反発が強い為、比較的飛ばせる印象ですね ちょっと掴みすぎてはしまいますが、食い込んだ後のスピード性能は特筆で、ラケットの性能が体感できました フィーリングの良い単板はありますが、フィーリングと弾性を備えたラケットは非常に少ないですね 硬めのラバーが打球感のバランスを考えると相性が特に良いですが、ソフトなテンションラバーでも食い込ませた後の飛び出しの良さでスピードと回転のあるボールが打てる印象です スマッシュ系の強打を主体に場合は硬め ドライブを連続で打ってていく場合はややソフトなテンションが、フィーリングと威力のバランスをより取りやすい組み合わせですかね
フィーリングの良さと弾み 相反していますが、両立できているラケットです 非常に良く弾むので扱いに苦労しますが、ソフトな打球感でラケットがボールをつかんでくれる感覚は「檜単板」そのものです ただ、一般的な高価格帯の檜単板と性能面で決定的に違うのは「飛び出し」ですかね ボールの勢いが後陣でも落ちない為、スピードボールが位置を選ばず放てます 印象としては板質の良い、年数の経過した単板がソフトで回転がかけやすくなっている印象でした 飛ぶのでなれるまでにかなり苦労しましたが・・・・・・
単板ユーザーには非常にお勧めするラケットですね あらゆる面で非常に高い性能を持っています 単板独特の打球感が特に強く味わえる一本です 至高の打球感とは言われますが、納得ですね 質感・性能・香り 完全に他社とは一線を画すラケットです ラケットの面取り等の細かな配慮もうれしいですね 「さすがダーカー」の一言に尽きます 職人魂の塊といえるすばらしいラケットですね