単板ラケット「尾州」シリーズで知られるコクタクの特殊素材ラケットは2017年4月現在ではレーザーカーボン系(レーザーカーボンプレシアスロータリー・レーザーカーボンパワー)と片面カーボンであるカーボンモルテックのみです その中で「中国式」がラインナップされているのは、レーザーカーボン中国のみとなっています カーボンラケット特有の打球感である「硬い・響く・直線的な弾道」といった、使い辛さが大幅に軽減されており、使いやすいカーボンラケットとなっています
カタログ等で見る事が多いのは青系のグリップでしたが、購入時点ではグリップが紫系のタイプに変更されている様です(2016年12月購入) ブレードサイズは「160×153mm」となっていますが、実際にはもう少し小ぶりな印象ですね コクタクの中国式としては大きめのサイズですが、他社と比較すると同じか、やや小ぶりなサイズとなっています
合板構成は5枚+カーボン2枚と平均的な合板構成 上板は檜ですね 中心材がバルサ材ですが、これは以前のモデルでは青く染色されていた事が特徴的だったのですが、このモデルは染色は施されていません グリップサイズはカタログ等で表記が無いので簡易計測ですが全長が「83~4mm」 コニックタイプなので、細い部分が約27~8mm グリップエンドの太い部分が32~33mmとなっています 印象としては少し太めですが、スウェーデン製程ではないです
特徴としては独自の技術「特殊レーザースプリング合板製法」ですか この製法により「硬く・飛びすぎるカーボンラケットがソフトな打球感で安定したコントロールが可能」となっていますが、これは「その通り」といった印象ですね 高反発でスピードアップが期待できる半面、打球感や球離れの面でネックとなる事が多く、扱いの難しい特殊素材が「カーボン」ですが、この加工により非常にソフトで弧線が作りやすくなっています 過剰といえる程打球感がソフトに仕上げられており「カーボンラケットらしさ」があまり感じられない打球感となっていますね この特性によって通常では合わせる事が難しい、ハードなラバーと合わせる事で打球感のバランスが取れるようになっています
弾性は「OFF~OFF+」程度でカーボンラケットとしては球持ちが良いタイプです 前述している通り打球感が非常にソフトな為、ハードヒット系の技術を多用するプレースタイルの場合はラバーを硬くする方がバランスがとりやすくなります 特に表ソフトの場合はドイツテンション系等は打球感や球持ちの面で弾き辛さがあるので、打ち方を変える必要が出てきます カーボンラケットの弾性を獲得しながらもカーボンによる影響で直線的な弾道にならず、弧線が作れるのは大きいです これによりドライブが抜群に安定します 掴んで飛び出す感覚がカーボンラケットではないですね
カーボンラケットのネックな部分を解消し、「70g台」と軽量に仕上げている事で重量のあるラバーを使用しても総重量を抑えられる点は非常に大きいですね 弧線が作りやすいカーボンラケットというのはかなり個性的です ただし良い面ばかりではなく、球質の面では軽さが目立つ印象ですね これはラケットの構成上仕方が無い部分がありますが、軽快に飛ばせる半面、威力で押していく様なスタイルには適さない印象です 一般的なカーボンラケット比べてここがレーザーカーボンの弱点といえます また非常にラケットが脆いので、台上等で気を使います こういった特性を把握して使うには利点が多いラケットですね レーザーカーボンシリーズとしては現時点では唯一の中国式ですし、コストパフォーマンスも良好です カーボンラケットの印象が大幅に変わるラケットですね